母親の葬儀から一ヵ月が過ぎた。
地元はまだまだ廃虚のまま。

校庭は片付いたが校舎は火災後のまま。
「石巻市門脇小学校」

石巻市の日和山より。
初めて震災後帰郷した時にここからの景色は見てなかった…
最初にここに来たら涙がまちがいなく溢れていただろう。
ぎっしりの住宅街だった南浜町地区。

実家跡。
すべての小さい頃の思い出も母親もなにもかも失った…
ここに立ち尽すと思い出だけが蘇る唯一の場所。
何もかも無くなった。
でも確かにそこには人々の暮らしがあった。
すべては夢の中。
ただ虚しくそこには全てが幻となった風景が広がっている。